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栃木県北原発被災者弁護団

原発事故後の栃木県北(文責 栃木県北ADRを考える会)

呼びかけ文〜いま、なぜ私たちは原発事故の賠償を求めるのか?〜

 平成23年3月11日に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故により、那須塩原市、那須町、大田原市は、福島県と同様、放射能に汚染されました。この地域の豊かな自然が放射能により汚染されたことで、山菜やきのこなどの自然の恵みや家庭菜園で採れる野菜なども被害を受けています。子どもたちは、除染もままならない状態で部活動や屋外活動を再開しました。私たちは、事故前の日常を奪われ、放射能に不安を感じ、放射能に汚染されていない水や食料の購入、除染といった苦痛と負担を強いられました。
 それにもかかわらず、東京電力は、事故後3年半が経過しても、私たちに対し、精神的苦痛にともなう慰謝料や生活費の増加分の賠償を一切していません。栃木県の健康調査や除染は、福島県と異なり、自治体の独自予算で限定的に行われてきたにすぎません。栃木県は、原発事故子ども・被災者支援法の支援対象地域にも含まれておらず、放射能被ばくに対する適切な支援も受けていません。
 私たちが、原発事故による被害を乗り越え、子どもたちの健康をしっかりと守り、魅力ある地域として再生するためには、その第一歩として、栃木県北の住民も原発事故の被害者であることを東京電力に認めさせ、被害の賠償をさせることが必要です。そこを出発点として、栃木県北住民全員に対する健康調査、徹底的な除染、その他の生活支援等の実施を求めていかなければなりません。私たちは、原子力損害賠償紛争解決センターにおける和解仲介手続を通じて、東京電力にこのことを訴えていきます。栃木県北のひとりでも多くの住民が申立人となり、原発事故によって被った被害の実情を訴えることが、東京電力や国を動かす力になります。
子どもたちの未来のために立ち上がりましょう。

                             呼びかけ団体  栃木県北ADRを考える会


放射能汚染の状況

那須塩原市・那須町・大田原市(以下「三市町」といいます)は、福島県中通りの中南部と同程度に放射能汚染の被害を受けています。平成23年7月に文部科学省が実施した航空モニタリング測定結果によれば、三市町内の複数の地域で100kBq/uを超える放射性セシウムが土壌に付着したと推定されます(表紙の地図をご覧ください)。
農作物や山菜も放射能に汚染され、チチタケに代表されるキノコ、タラノメ、コシアブラ、筍、栗などの自然の恵みは今でも国の基準100Bq/kgを超える放射性物質が検出されています。


出典:原子力規制委員会 放射線モニタリング情報より
H23.8.30「文部科学省による放射線量等分布マップ(放射性セシウムの土壌濃度マップ)の
作成結果を踏まえた航空機モニタリング結果(土壌濃度マップ)の改訂について」(別紙3-1)

置き去りにされてきた栃木県北

  1. 被ばくに対する健康調査
     福島県では、外部被ばく線量を推計するための基本調査が行われているほか、特に子どもたちの健康を守るため、甲状腺検査などが県民健康調査として実施されています。
    一方、三市町では、健康調査については、ホールボディーカウンタ測定や甲状腺検査などの助成が、町民や市民に対し、各市町独自の事業として限定的に実施されているにすぎません。
  2. 放射能に汚染された土地の除染 
     三市町は、汚染状況重点調査地域に指定され、除染実施計画に基づいて除染が始まりました。しかし、福島県であれば認められている除染メニュー(放射線量の低減に有効な表土剥ぎ取りなど)が三市町村では認められてきませんでした。そのため放射線量が未だに高い場所が各所に残されています。表土剥ぎ取りは、三市町が独自事業として限定的に実施してきましたが、東京電力は三市町が負担した除染費用すら支払おうとしません。
  3. 原発事故の被災者に対する生活支援
     原発事故子ども・被災者支援法は、原発事故の被災者への生活支援等を目的として平成24年に成立した法律です。この法律に基づいて、子どもの保養への支援等が行われています。栃木県は、放射能汚染の被害を受けているにもかかわらず、この法律の支援対象地域に指定されていません。そのため法律に基づく支援をほとんど受けていません。

栃木県北原発被災者弁護団

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